「ストレスが体に悪い」というのは、いまや常識のごとく、広く認知されています。
しかし本当にストレスを、“悪者”と決めつけてしまっていいのでしょうか?
一度、立ち止まってみてほしいのです。
私たちの頭の中には、“ストレス=悪”の方程式が、すでに出来上がっています。
そのため、“ストレスを感じること自体”に、ストレスを感じてしまうのです。
つまりは、「なぜ自分がストレスを受けなきゃいけないんだ」という具合に、
「ストレスを感じている自分の状況そのもの」に、ストレスを感じてしまうわけです。
ストレス源→ストレス発生→「ストレスは体に悪い」→ストレスを感じていること自体に対するストレス発生→ストレス→ストレス…
このような悪循環にハマり、ストレスを、“雪だるま式に増強”させていきます。
すると、ストレスを感じた根本原因が解決したとしても、ストレスを“引きずり続ける”ことになるのです。
しかし、ストレスは本当に“悪”なのか。
仮に私たちがストレスを、“良いもの”と認識していたら…
ストレス源→ストレス発生→「ストレスは良いもの」→ラッキー!
このように、ストレスをきっぱり“断ち切る”ことができるばかりか、喜びすら、感じられてしまうわけです。
ですからそもそも、「ストレス=悪」の洗脳を解くことが、非常に大切なのです。
一切のストレスが存在しない世界を、想像してみてください。
外部からの刺激が、全くない世界。
音もなく、人もなく、課題もなく…
あなたにストレスを与える可能性があるものは、一切存在しません。
それはつまり、完全なる“無”です。
しかしここには、問題があります。
“ストレスがない”ということは…
“成長がない”ということなのです。
ストレスは、自分自身を成長させるための“気づき”を与えてくれます。
そもそもストレスを感じる大きな原因は、「自分にはこの状況を変えられない」という“思い込み”です。
つまり、“自分ではコントロールできないと考える領域”に対して、人はストレスを感じるのです。
例えば、
「断りたいのに断れない誘い」とか、
「他人が出す不快な音」とか、
「逆らえない相手の指示」とか
「キャパオーバーなタスク」とか…
しかし、本当にあなたは、これらをコントロールすることができないのでしょうか。
答えは“ノー”です。
“いかなる場合においても”、あなたは、「状況をコントロールすることができる」のです。
なぜなら人は、“変化することができる”から。
周りの人を変えることは、ほぼ不可能です。
しかし、自分自身の“とらえ方”や“選択”を変えることは、可能なのです。
ストレスを感じたら…
“同じ状況において二度とストレスを感じない思考”を身につけるチャンスです。
なぜ自分は、ストレスを感じたのか。
それを根本的に解決するには、どのように考え、行動していくべきなのか。
周囲ではなく、“自分自身の思考を変えること”に、フォーカスを当ててみてください。
真剣に向き合えば、過去には強烈なストレスを感じていた状況においても、涼しい顔をしていられるようになるのです。
つまり、ストレスに出会えば出会うほど、あなたは“ストレスから解放されていく”のです。
あなたの人生において、“いずれは解決しなければならなかった課題”を、ストレスは与えてくれます。
過剰に恐れる必要はありません。
ストレスに出会うことは、非常に“ラッキー”なことでもあるのです。