怒り、イライラ、痛み、悲しみ・・・
表面上はなんとか笑顔で取り繕っているものの、心の中はいつも嵐が吹き荒れている。
自分の感情を、統制することが出来ない。
感情を上手くコントロールできず、感情に振り回されてしまう原因は、一体何か?
それは・・・
「感情を制御しようとしていること」なんです。
あなたの中の「獣」に気づくことで、心穏やかな日々が手に入る。
人間は「獣」を飼っている
小さな子供を見てください。
怖ければ泣き、気に入らなければ怒り、思い通りにいかなければ駄々をこねる。
まるで「獣」のように・・・
怒り、叫び、荒ぶっている。
大人も同じなんです。
表面上、平然を装う技術を身につけただけで、
思い通りにいかない場面には怒りが湧き、自分を邪魔する者に腹が立つ。
大人になっても心の中には・・・
「獣」がいるんです。
これに気づけず、負の感情を否定して「冷静であろう」とすることこそが、感情に振り回されてしまう原因なのだ。
感情は逆行する
怒り狂う獣をムチで叩いたところで、火に油を注ぐだけである。
「落ち着け、自分」
「イライラしちゃいけない」
「切り替えよう・・・」
こんなふうに獣のナチュラルな感情を否定し、「理性的であろう」とすることこそが、理性を失う一番の近道なのだ。
実に滑稽な事実ではあるが・・・
自然と湧き出る感情を認め、自分の感情の味方になることこそが、感情に振り回されない唯一の方法なのである。
ではなぜ我々は、自らの感情を敵視してしまうのか?
感情を否定する社会の雰囲気
私たちは大人になるにつれて、様々なことを学びます。
「ルールを守りなさい」
「マナーを守りなさい」
「人に迷惑をかけてはいけない」
互いに気持ちよく暮らしていくため、たしかに大切なことです。
でも・・・
- 怒ってはいけない。
- 泣いてはいけない。
- 笑顔でいなきゃいけない。
- どんなに嫌でも学校に行かなきゃいけない。
- どんなに嫌でも会社から逃げちゃいけない。
いつの間にか・・・
自分がどう感じるかより、「人からどう見られるか」の方が大切のような、錯覚を起こしてしまうのです。
個人の感情を否定する社会の雰囲気により・・・
自分すら、自分の感情の味方をしてあげることが出来ない。
その結果、心に抱える怒りは増大し、自分の感情に気づくことすら、困難になっていく。
自分の気持ちを理解することも、表現することもできず・・・
コミュニケーションのとり方がわからずに、円滑な人間関係を築くことも難しくなってしまうのだ。
そんな状況から、確実に抜け出すためには・・・
「獣」を受け入れる
自分の中の「獣」を制御しようとするのではなく、見つめてください。
仮に「怒り」を感じたら・・・
「怒りを感じるのも無理はない」と、獣の感情に、妥当性を見出してあげるのです。
私たちは皆、もともと「獣」なんです。
「冷静であろう」とすればするほど、不自然になる。
気に入らないことがあれば腹が立って当然、邪魔な者が目に入ればイライラして当然なんです。
大切なのは「自分が今どんな気持ちなのか」を、否定せず観察し、常に把握しておくこと。
それこそが、感情に振り回されない唯一の方法なのだ。
不自然な生き方をやめる
自分の感情を「悟られまい」と行動すればするほど、人は不自然になる。
自分の感情を抑え込み、無理やり笑顔を作ってみせても、何も得られないどころか怪我をするのだ。
自分の中の「獣」を受け入れると、自然体で生きることが出来るようになる。
自分の中の「負の感情」を受け入れているからこそ、自分の感情を自然に表現することが出来る。
自分の中の「負の感情」を受け入れているからこそ、相手の感情も寛容に受け入れることが出来る。
自分の中の「獣」を受け入れることで、心の安定はもちろん、人間関係もとたんにうまくいくようになる。
さいごに
感情を否定して「穏やかであろう」と努力すればするほど、心は荒んでいきます。
本当に穏やかな人とは・・・
自分の中の「獣」を、大事にして可愛がっている人なのだ。
あなたが感じるその「怒り」や「イライラ」の感情を、もっと大切にしてください。
世の中すべての人が、あなたに背を向けたとしても・・・
あなただけは、あなたの感情の味方でなければならないのです。
いつの間にか・・・
あなた自身が、あなたの心の最大の敵に、なってしまってはいませんか?
さぁ、獣にムチを打つ生活は、今日でおしまいです。
自分の中の「獣」を、誰よりも大事に可愛がっていくことで・・・
荒ぶる「獣」は少しずつ、あなたに従うようになっていくのである。